ピヤホン8(TE-W1-PNK)レビュー|2万円以下とは思えない音質の良さや使用感を解説します
ピエール中野氏監修のピヤホン8(TE-W1-PNK)を3ヶ月使用したレビュー。2万円以下とは思えない高音質で驚きました。実際の使用感、音質の特徴、メリット・デメリットを詳しく紹介します。
飲み会の帰りの電車から家に着いた翌日の朝。片耳だけになったイヤホン。
いつの日か手元には安物の紐つきワイヤレスイヤホン(首掛けで紐繋がってるやつ)だけが残ってしまった。
…その謎を解明すべく、我々はアマゾンの奥地へ向かった――
…わけはもちろんなく、いっそヘッドホンを買うことにしました。映画とか音楽、もうちょい迫力で聴きたいなと思うことが増えてたところでもあるし、ちょうどよかった。1〜2万円くらいの予算で、迫力ある音で映画も音楽も楽しめるやつ。それくらいのざっくりした条件で探しました。
物欲のままにポチる前に、まず脳内会議。ノリで買いがちなので。
予算は1〜2万、理想は15,000円くらい。お金はパッと決めた分なので、目安ってだけです。誤差は許容するのでヨシ!
最初に決めたのは「ワイヤレス必須」「ヘッドホン or イヤホンならヘッドホン」の2点。スマホ直結で映画観たり音楽聴いたりが主用途。イヤホンは紐付きで音質良いやつをすでに持ってるので、新規でワイヤレスを買うならヘッドホン一択でした。
高いイヤホンを無くすと悲しいので。
で、もうひとつ早めに決まったのが「ノイキャン要らん」。
最近のワイヤレスヘッドホンってだいたいノイズキャンセリングが付いてて、それが価格を押し上げてる感覚があった。家でしか使わないからノイキャン要らないし、外で使うときも自分の場合は周りの音が聞こえてた方が安心。むしろノイキャン代が値段に乗ってるなら、その分を音質に振ったやつが欲しい。
スタート地点では、ふんわり「迫力ある音楽が聴きたい」「低音がしっかり出るやつ」をイメージしてました。映画も観るし、ライブ系の音源も多いから。
ここで即決していたらJBL(重低音とライブハウス系の音作りで有名な米国のオーディオブランド)とか、低音と高音が強調されたドンシャリ系を買ってたと思う。
この辺で立ち止まって、自分が普段なに聴いてるか考えると状況が変わった。
よく聴いてるのって THE FIRST TAKE 的な一発撮りの音源とか、声が主役で生楽器が空気感を作るタイプの曲。具体的にはずとまよのライブ、大原ゆい子の『旅人の唄』、amazarashi、Myth & Roid あたり。生楽器全般が好きで、その延長でメイドインアビスの壮大な曲やジブリのオーケストラも聴く。EDM はほぼ聴かない(なんで最初に低音で考えたんだよ…)
低音ドンドンよりも、空気感とか声の生っぽさを綺麗に出してほしい、解像度と音場の広さが効くタイプの音楽だったわ。
そうなるとモニターヘッドホン的な「弦の一本まで聴き分ける」やつが必要なのかってなったけど、それも違うな。
ライブの一発撮りやオーケストラって全体の空気感で聴くもんだから、楽器の分離を追い込みたいわけじゃないな。それより、ケルト音楽みたいなのでも全体が迫力よく綺麗に響いてくれればヨシなんだよな。
ここまで来てようやく「全域がバランスよく出て、声と空気感が綺麗に響く、フラット寄りで聴き疲れしないやつ」だと言語化できたぞい。
方向性が見えてきたところで、候補を一気に並べた。1〜2万円帯でワイヤレス、ノイキャン優先度低め、音質寄りで探したやつ。
| 機種 | 実売 | 音の傾向 | コーデック |
|---|---|---|---|
| ag WHP01K | 7,000〜9,000円 | モニター的フラット | aptX LL |
| final UX1000 | 約7,980円 | クリア、中高域の透明感 | AAC/SBC |
| final UX3000 | 約15,800円 | 全域が丁寧、オールラウンダー | aptX/aptX LL |
| final UX3000 SV | 約15,800円 | 声にフォーカス | aptX HD |
| JBL Tune 530BT 等 | 約8,000円〜 | パワフルな低音のドンシャリ | — |
| Anker Soundcore Life Q35 | 9,000〜12,000円 | バランス型 | LDAC対応 |
並べた瞬間に JBL は脱落。さっきの「ドンシャリ系はジャンル合わない」で外れた組です(重低音を感じたい時に買わせてもらいます)
ちな final の上位機 UX5000 も一瞬眺めたけど、予算オーバーで即脱落。
ag WHP01K は安くてコスパいいし、final が音質をチューニングし直した上位版が UX3000 という関係になってるらしい。final UX1000 は最新の音質特化型で最安。Anker Q35 は LDAC 対応がこの価格帯では珍しいので一瞬迷ったけど…。
レビュー読んでると「UX3000 は LDAC や aptX Adaptive 非対応」って指摘がちょくちょく出てくる。
で、調べると1.5万円クラスでこの手の高音質コーデックを積んでるのはそもそも Anker Q35 くらいじゃねーか。ほな別に弱点でもないな。
決定打は、自分が一番使うのが YouTube Music ってこと。
YouTube Music の最高音質は 256kbps の AAC 止まり。ロスレスやハイレゾはやってないっぽい。つまり送り出す音源が AAC なら、受け側だけ LDAC 対応してても出番がない。AAC 対応のヘッドホンと AAC 音源が噛み合えば、そこで完結する話。
これで Anker Q35 のアドバンテージが消えて、UX3000 系で本気で考えていい流れに。
ここからは UX3000 に絞って、紹介サイトじゃなくて個人ブログ・掲示板・試聴勢のレビューを当たることにした。アフィリエイト前提のサイトだと褒める方向に倒れがちなんで、本音が見える場所を探した感じです。
…とは言いつつ、最近はこういうレビュー探索のフックを AI に丸投げしがち(自分で全部みなさい…)
拾えた評価がだいたいこんな雰囲気でした。
「全域が丁寧」「オールラウンダー」「声に艶」って、自分が言語化した方向性とほぼ一致。これがダメ押しになった。
とはいえ、買う前にちゃんと弱点も把握しておきたい。レビュー漁って拾えたのが以下:
側圧はちょっと気になったけど、自分は小顔寄りなはずなので…たぶん大丈夫。たぶん(自称)
万一痛かったら小顔ローラーころころタイムが始まるだけです。メガネもかけないし、まあ何とかなるかなと。アンビエントは家で使うから要らないし、充電中Bluetooth不可はちょい不便だけど、寝てる間に充電しとけば全然回避できる。
「ノイキャン要らん」って言っといて何だけど、UX3000 / SV にも ANC 自体は付いてる。しかもハイブリッド ANC(外側マイクで周囲音を拾って逆位相音で打ち消す方式と、内側マイクで実際に耳に届いた音を検出して補正する方式の合わせ技)で、その上に final の独自アルゴリズムで 音質に最小限の影響しか与えないチューニング が乗ってる設計。
ANC を最大の売りにするタイプじゃなく、音質ファーストで ANC は実用ラインに乗せてる、って位置取りみたい。
電源とは独立して ANC だけ ON/OFF できる仕様なので、要らん派は OFF で使えばいい。むしろ ANC 代じゃなくて音質に振ってる設計なのが、結果的に「ノイキャン要らん」派の自分に噛み合う形になりました。
あと地味に効いたのが、UX3000 は 3.5mm ケーブルで有線接続にも対応してる。Bluetooth って受信側に飛ばす都合上、必ずコーデック(AAC や aptX)で音源を圧縮→展開する一手間が入る分どこかで音情報が削られる。有線はそれをスキップで直結なので、圧縮ロスがない。家とかでじっくり聴くときに有線で音質が一段上がる。
外(といってもまあ家の中の移動くらいだけど)ではワイヤレス、ガッツリ映画観るときは有線、っていう二段構えができるのは長く使う上で大きいなと。バッテリー切れても有線で使えるからね。
無印を取るか、SV を取るか。
ここまで来て UX3000 で確定。…と思ったら、同じ価格で「UX3000 SV」っていう派生モデルがあった。何それ。
調べたら、無印と SV は同じ筐体・同じ価格で、純粋にチューニング違い。
| 無印 UX3000 | UX3000 SV | |
|---|---|---|
| チューニング | 全域バランス型 | 声にフォーカス |
| 得意 | 楽器アンサンブル全体 | 歌声を主役に聴く、アコースティック |
SV は中央から歌声が浮き上がるような鳴り方をするらしい。ボーカルが鮮明で生っぽい、と。
無印にするか SV にするか、ここがほぼ最後の悩みどころでした。
で、自分が普段聴いてる曲を思い返してみると、ずとまよも大原ゆいこも、結局はアーティストの声が主役。オーケストラやサントラも好きだけど、リピートしてるのって声モノが多い。
…SV じゃんってなったので final UX3000 SV、15,800円前後、ポチりました。
即装着で、最初に流したのは『旅人の唄』。無職転生のOP、大原ゆい子さんの曲です。
…やっぱりアーティストの声がはっきり響いてた。呼吸音とかまで綺麗に芯がある。SV 正解だったわ。
ちな無職転生は2026年7月からアニメの3期もあるのでぜひ(唐突な布教)
その後いくつか聴いた素朴な印象だと、やっぱり重低音をガッツリ感じたいなら向いてないかなとは思った。低音はちゃんと出るけど音の重みが伝わるタイプじゃない感じ。EDM 派とかはたぶん物足りない。
逆にアコギは弦の1音も響く感じで相性よかった。オーケストラも原音って感じで、体験として良かった。
意外と装着感はいけた。買う前のレビューで「側圧やや強め」って指摘がそこそこ出てたから、長時間つけたら痛くなるかもなと身構えてたんだけど、実際つけてみるとちょうど良いフィット感に収まってる。
だいたい6時間くらいつけっぱだと「そろそろ外したいな」って気になり始めるくらいで、それまでは映画1本見たり作業しっぱなしでも全然平気。
小顔ローラーころころタイムは発動せずに済みそうでよかった。
とは言いつつ、まだ聴き始めて間もないので、ここに書いたのも初動の印象でしかないです。今のところは「想定通りの音、SV にしてよかった」って感触だけど、使い込んでいくと違う印象が出てくるかもしれない。
今回は「選ぶまで」のプロセスの記録ということで、ひとまずここまで。
今回の選定で見えた発見メモを5つ:
ノイキャン代を音質に振った、っていうのが個人的にはハマった選び方だった気がする。実機が届いて『旅人の唄』流した時点では、いい感じに当たってる手応え。あとは使い込みでどうなるか、ですね。
さらにハイモデルで映画専用のヘッドホンとかもいつか買いたいと思ってるのでおすすめある人、X で雑に投げておくれ。 普通に感想もXでもらえると嬉しいですー。